第2回俳句賞「25」に行ってきた
俳句賞「25」というコンテストがあった
公開選考会だそうだ
主催は大学生俳人
応募者は高校生だけ限定
それも数人でチームを組んで参加
見に行かないではいられない
日時:2019.3.17 午後一時から
場所:新宿区立漱石山房記念館
会場は地価の講義室で椅子は50脚ほど用意されていた。
最終的にはほぼ満席、多くは応募高校生と保護者でそのほか大会関係者、マスコミ関係者で埋められた。
第1回は35編の応募があったが今回は31編の応募であった。
チームは4人から7人で構成され25句の作品をまとめて応募する規定だ。
審査は3人の選考委員で予選を行い31編から4作品に順位をつけてそれぞれ選び計12作品が決勝選考に進出する。ここからの審査が公開審査である。
審査員は遠藤由樹子氏、岸本尚毅氏、高柳克弘氏
交通信号赤黄青の順で並んでいると岸本氏得意の洒落を発したが、今思えば選考会の流れを予測したような発言だった。
さて、選考会と結果は?
各氏の予選結果は下記の通り
(一位4点、二位3点、三位2点、四位1点)
遠藤氏 一位「回りきる」二位「竹とんぼ」三位「絡繰」四位「雲梯」
岸本氏 一位「つばさめく」二位「回りきる」三位「竹とんぼ」四位「絡繰」
選考会は各氏の選考理由を述べることで始まり、第二段階として「回りきる」「つばさめく」「ゆるやかに」「絡繰」「たけとんぼ」の五編から対象を選ぶことに決定した。
大賞選考方法は少々もめたが、各得点数よりも選句委員の第一位の中から選ぶべきだとの意見が高柳より出され、その線で進めることとなった。
「つばさめく」7点「回りきる」7点「ゆるやかに」4点の三作品に絞られた。
下記に作品を示す。
筆者の印象では、選考会の司会がとてもリードがうまく、議論を結論に導いていた。
その結果、最終対決は同点の「つばさめく」7点「回りきる」7点に絞られた。
各氏の発言
高柳氏:「つばさめく」には柱になる句が数句あって堅固な作品構成になっている。
その点「回りきる」は詰めが甘い印象がある。
遠藤氏:文芸に点数は関係ないが、「つばさめく」の完成度は高い。でも「回りきるの
世界観が良いし、自由な柔らかさは評価できる。
岸本氏:点数で決めるしかないのではないでしょうか。
で、結局大賞、准賞は下記の通り
大賞:「つばさめく」開成高校
准賞:「回りきる」 混成軍団(宇和島東高、今治西高、愛光高、名古屋高、
立教池袋高、徳山高)
准賞:「ゆるやかに」翠嵐高校(神奈川県)
さらに、各審査員がすべての作品から10句を選んだ。
開催主旨は、高校生と大学生をつなぐ俳句の場を作ること、そこから未来へつながってほしい願いである。
実行委員長兼審査会司会:小山玄黙(慶応大学)
他の実行委員は下記の通り。
協賛団体は下記の通り(協賛金は一口5000円)
学生俳句会の後援 団体
会場の高校生向けに各大学俳句会が活動報告を行った。
またOBの立場から現代俳句協会青年部を代表して黒岩徳将君がゼロ句会のプレゼンを行った。
慶応大学俳句会
東大俳句会
早稲田大学俳句研究会
東北大学俳句会 東北若手俳人集「むじな」
報告は以上だが、若手が自主的に企画して運営していることに正直驚いた。
俳句甲子園にチャレンジしたあとの受け皿として大学生になった出場者OBが切実な思いで企画したのであろう。
その熱意に協会としても何か援助してゆきたいものである。
事業企画部と組織部は名称を変えますが、このような活動へも熱い視線を当ててゆきたい。
後藤章
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