ゼロ句会10月及び兜太ナイト2 報告者 後藤 章
10月20日(土曜日) 10月のゼロ句会と兜太ナイト2が行われた 於:協会図書室 スケジュールは下記の通り 筆者は都合によりゼロ句会には参加できず、夜の部の兜太ナイト2から参加した。 参加人員は司会と講演者の小松 敦を入れて17名でした。 小松敦は元「海程」の会員で現「海原」会員。 正面右側が司会の黒岩君 写真左端のハンチング姿が本日の講演者小松敦君 初めに自己紹介を兼ねて、各人が黒岩徳将君が選んだ 金子兜太20句の中から、自分が論じてみたい句を発表した。 対象句集は『蜿蜿』と『暗緑地誌』 参加者は多くは今回も40代以下の若手で女性も多い。 彼らにとって兜太はとても魅力的らしい。 『蜿蜿』から 霧の村石を投らば父母散らん 蝌蚪つまむ指頭の力愛に似て この句に胎児のイメージを重ねて鑑賞した人がいた。 中でも議論が高まったの下記の句の「空の肛門」だ 鮭食う旅へ空の肛門となる夕陽 Y氏曰:田村隆一クラスの荒地派の比喩の破壊力がある A氏曰:比喩が大胆 T氏曰:シェークスピアの綺麗が汚いではないが美しいものと汚いものの 対比表現が面白い。 小松氏曰:これは比喩ではなくて兜太は本当にその時そう思ったのだ。 黒岩曰:鮭が遡上するイメージと飛行機が空に吸い込まれてゆくイメージが 重ねられている。 章が思うに、兜太の俳句と田村隆一を結びつけた見方は 面白い。どちらも比喩の使い手のお化けだったからだ。 さらに、文明批評的なことを詩に仕上げたのも田村隆一が初めてだが 兜太の作品にも戦争批判をベースにした文明批判的な側面があった。 俺が食う馬鈴薯映して朋の眼鏡 T氏曰:他人への共感力がある句。常に他者へ近づく兜太 三日月がめそめそといる米の飯 Tk氏曰:場面転換が面白い 小松氏曰:兜太はそのまま読んでくれといった。 人体冷えて東北白い花盛り 田中亜美曰:シンコペーションのリズムが心地良い面がある。 M氏曰:涙腺が刺激されてしまう。風土に甘えていない。 兜太自身を客体としてみている感じ。 章曰:東北出身の私としては、兜太さんは東北に何か遠慮している感じがある。 畏怖の念というのかもしれない。関東以南の地に対